大型治具の高精度計測—CMMを活用した品質保証のポイント
自動車部品の加工において、治具の精度は製品品質を左右する重要な要素です。特に、大型治具はそのサイズや重量の影響で、計測時に様々な課題が発生します。今回は、縦2m・横1.5m・重量500kgの大型治具を対象に、平面度・直角度・全長・ハメ合い公差(直径・穴間距離)といった特性を測定する際のポイントを解説します。
大型治具計測の課題とCMMの活用
大型治具の計測では、以下のような課題が考えられます。
- 重量による取り扱いの難しさ
500kgもの重量があるため、計測機へのセット時に歪みを生じさせないよう慎重に治具を配置する必要があります。クレーンや専用の架台を活用し、安定した状態で計測できるようにします。
- 平面度・直角度の高精度測定
治具の平面度や直角度は、加工精度を左右する重要な要素です。CMM(座標測定機)を活用することで、数µm単位の誤差まで解析可能となります。特に、温度変化による膨張・収縮を考慮し、計測環境を一定に保つことが求められます。
- 全長や穴間距離の測定
大型治具では、長さ方向の誤差も積み重なりやすくなります。ミツトヨ製CMM「STRATO162012」を使用すれば、1.6m × 2.0m × 1.2mの測定範囲を活かし、長尺の計測を一括で高精度に実施できます。特に、穴間距離などはCMMの高精度プローブを活用することで、±数µmの誤差内で管理することが可能です。
- ハメ合い公差の管理
治具の穴径やボルト・ピンのハメ合い公差は、加工部品の組付け精度に直結します。CMMの測定データを解析し、公差範囲内に収まっているかを確認しながら、必要に応じて補正を行います。
高精度測定で治具の品質保証をサポート
当社では、大型治具の高精度計測を承っております。ミツトヨ製CMM「STRATO162012」を用いた測定により、平面度・直角度・全長・ハメ合い公差の直径や穴間距離まで、精密な検査が可能です。
治具の精度が不安な場合や、測定環境が整っていない場合は、ぜひ当社にご相談ください。確かな技術と最新の測定機器で、お客様の品質保証を全力でサポートいたします。