真円度とは

定義

真円度(Roundness)は、円形断面が理想的な円からどれだけ逸脱しているかを示す幾何公差の一つです。

具体的には、対象物の周囲を形成する全ての点が、理想的な円の中心からの距離(半径)とどれだけ一致しているかを評価します。

真円度が小さいほど、円形に近い形状であることを意味します。

真円度の公差

真円度の公差は、通常、最大径と最小径の差(誤差範囲)として定義されます。

例えば、真円度が0.01 mmである場合、測定した円の最大径と最小径の差が0.01 mm以下であることを意味します。

種類

真円度には主に以下の種類があります:

  1. 絶対真円度
    • 理想的な円形の基準に対して、物体がどれだけ真円に近いかを示します。
  2. 相対真円度
    • 他の基準形状(例えば、同じ部品の別の断面や、周囲の形状)に対して真円度を評価します。これにより、部品同士の適合性を測ることができます。

測定方法

真円度の測定方法には、いくつかの手法があります:

  1. コンタクト式測定
    • 真円度測定機
      • この機器は、円の周囲に接触するプローブを持ち、接触点から中心点までの距離を連続的に測定します。測定データはコンピュータに取り込まれ、真円度が計算されます。
    • マイクロメーターやキャリパー
      • 簡易な方法として、手動での測定も可能ですが、精度は劣ります。
  2. 非接触式測定
    • レーザー測定器
      • レーザー光を円の周囲に照射し、反射光を解析して形状を測定します。高精度で迅速な測定が可能です。
    • 光学式測定器
      • CCDカメラやセンサーを使い、画像処理技術で真円度を評価します。これも非常に高精度な測定ができます。
  3. CADソフトウェアによる解析
    • 3DスキャンデータやCADデータを用いて、理想的な円と比較します。ソフトウェアによって自動的に真円度を計算できるため、効率的かつ正確です。

真円度の重要性

真円度は、特に回転部品や摩擦部品(例えば、ベアリングやシャフト)において重要です。

真円度が不良だと、部品の摩耗が進み、振動や騒音の原因となります。

また部品同士の適合性にも影響を与え、全体の機械の性能や寿命に関わるため厳密な測定と管理が求められます。