JIS B 7440-2 製品の幾何特性仕様(GPS)   −座標測定機(CMM)の受入検査及び定期検査 −第2部:長さ測定

1. 目的と適用範囲

この規格は、CMMによる長さ測定の受入検査および定期検査の方法を定義し、測定機器の精度と信頼性を確保することを目的としています。特に、CMMを用いて製品の幾何特性を評価する際の基準を提供します。

2. 測定機器の概要

  • 座標測定機(CMM): CMMは、三次元空間における点の座標を測定するための装置です。タッチプローブやレーザープローブを用いて、部品の寸法や形状を測定します。

3. 受入検査

  • 受入検査の目的: 新しく導入されたCMMが仕様通りの性能を発揮できるかを確認するための検査です。
    • 装置の校正状態を確認します。
    • 測定精度を確認するための基準部品(標準器)を使用して、測定誤差を評価します。
    • 各軸の直線性や直交性を測定し、製造公差が満たされているかを確認します。

4. 定期検査

  • 定期検査の目的: CMMが継続的に正確な測定を行っているかを確認するための検査です。
    • 定期的に基準部品を用いて測定を行い、測定精度を評価します。
    • 機器の使用頻度に応じて、校正やメンテナンスを行います。
    • 結果は文書化し、履歴を保持することが求められます。

5. 測定の手法

  • 測定準備: 測定対象の部品をCMMにセットし、固定する方法について説明があります。
    • 直線長さの測定方法、測定点の選定、測定回数などの具体的な手法が示されています。
    • 測定の際のプローブの設定や、測定力の適切な選択が重要です。

6. データの記録と解析

  • 測定結果は、精度や誤差の解析に基づいて記録し、評価する必要があります。
  • 測定結果の報告書作成についても規定されており、品質管理システムの一環として重要です。

7. 品質管理への寄与

この規格に基づく検査を実施することで、CMMの測定精度を確保し、製品の幾何特性を適切に評価することが可能になります。

これにより製造プロセス全体の品質向上が期待されます。