平行度とは
はじめに
幾何公差における平行度(Parallelism)は、指定された基準面または基準軸に対して、部品の特定の面や軸がどれだけ平行であるべきかを示す公差の一つです。これは部品の組み立てや機能において、重要な位置関係を保証するために使用されます。
定義
平行度は、基準要素(基準面や基準軸)に対して、対象の面や軸が指定された公差範囲内で平行を保つことを示します。公差範囲は、通常、平行度のシンボル(◇)と数値で図面に表されます。
適用範囲
- 平面の平行度
対象の平面が、基準平面に対してどれだけ平行であるかを制御します。
→ 公差帯は基準面に対して平行な2つの平面で構成され、その間に対象の表面が収まる必要があります。
- 軸の平行度
対象の軸が、基準軸に対してどれだけ平行であるかを制御します。
→ 公差帯は基準軸に対して平行な円柱状の帯で構成され、その中に対象軸が収まる必要があります。
測定方法
平行度の測定には、以下のような方法があります:
- 平面の平行度
- 基準面に対して測定面の平行度を確認するために、ダイヤルゲージやCMM(座標測定機)を使用。
- 測定面を基準面に接触させながら、各点の偏差を計測。
- 軸の平行度
- 軸の中心線の偏差を確認するため、CMMや回転台とダイヤルゲージを使って測定。
重要性
平行度は、部品同士の組み立て精度や機械の動作性能に影響を与えます。例えば:
- 軸や軸受が平行でない場合、過剰な摩耗や振動を引き起こす可能性があります。
- 平行度が不十分な平面は、ガスケットの密閉性や締結部品の接触性に問題を生じさせることがあります。
平行度は特に機械加工や組立で重要な役割を果たします。部品図をよく確認し、適切な公差と測定手法を選択することが重要です。