三次元測定機の量産プログラムにおける効率化の工夫

さいしょに

三次元測定機(CMM: Coordinate Measuring Machine)は、製造業の品質管理において重要な役割を果たしています。特に量産プログラムでは、測定のスピードと精度が製品の品質や生産性に直結するため、効率的な運用が求められます。本コラムでは、量産プログラムにおけるCMMの活用と、効率化を図るための工夫について掘り下げます。

 

プログラム作成の標準化

量産プログラムにおいて、同一の形状や仕様を持つ製品が大量に製造されます。この際、プログラムの作成プロセスを標準化することが効率化の鍵です。

  • テンプレートの活用

基本的な測定手順やパラメータをテンプレート化することで、新規プログラム作成の時間を短縮できます。CADデータとCMMソフトウェアを連携させることで、自動的に測定ポイントを生成するシステムも効果的です。

  • プログラムのモジュール化

測定箇所をモジュール化し、異なる製品間でも共通部分を再利用することで、作業負担を軽減します。

 

測定時間の短縮

量産においては、1製品あたりの測定時間を短縮することが非常に重要です。

  • 最適な測定経路の設計

プローブの動きを最小限に抑える経路を設計することで、非効率な動作を削減します。経路を考察する際に注意しないといけないのが、衝突のリスクです。そのリスクを軽減するにはCAT1000を駆使して、オフライン上で稼働確認をすることを推奨します。

  • 高速プローブ技術の導入

最新のスキャニングプローブや多関節型プローブを使用することで、高速かつ高精度な測定が可能になります。

 

自動化とリアルタイムフィードバック

  • 自動測定システムの導入

測定機を生産ラインに組み込み、ロボットアームなどで部品を自動的にセットする仕組みを構築します。これにより、人的作業を削減し、生産効率を向上させます。

  • リアルタイムデータの活用

測定結果をリアルタイムでフィードバックし、不良品を早期に検出することで、量産プロセス全体の品質向上を実現します。

 

定期的なメンテナンスと校正

量産プログラムでは、測定精度が一定であることが求められます。そのため、定期的なメンテナンスと校正を欠かさないことが重要です。

ちなみに自社では1年周期で校正を行っています。

  • 自己診断機能の利用

CMMの自己診断機能を活用し、異常を早期に検出することでダウンタイムを最小化します。

  • トレーサビリティの確保

校正履歴を管理することで、測定精度を保証するとともに、品質トレーサビリティを維持します。

 

チーム内のスキル向上

効率化には、オペレーターのスキル向上も欠かせません。

  • 教育プログラムの実施

CMMの操作スキルやプログラム作成ノウハウを共有するための社内トレーニングを実施します。

弊社では各測定者をレベル管理し、それぞれ出来る仕事の範囲が違います。

 

  • 課題共有と改善活動

チーム全体で課題を共有し、継続的な改善活動を行うことで、生産性と測定精度を両立させます。

 

さいごに

三次元測定機の量産プログラムでは、効率化を進めるための工夫が競争力の源泉となります。最新技術を導入しつつ、現場での改善活動を積み重ね、持続的な進化を目指しましょう。